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2019/09/20

メガドライブミニの中身の話

2019/09/19に発売されたセガの「メガドライブミニ」についてです。

以降は製品名を「メガドラミニ」と略します。

お約束ですが

ここに書いてある情報の利用は自己責任でお願いします。

基本スペック

ニンテンドークラシックミニシリーズと似ています。 「時代が求めた16bit」とのことですが、中身はきっちり32bitです(そういう話ではない)

SoCが日本でAllwinnerの総代理店をやっているZUIKIブランドになっています。

  • SoC: ZUIKI Z7213 (4-core ARMv7)
  • RAM: UniIC SCB15H2G160AF-13K (256MB)
  • NAND: Samsung K9F4G08U0F-SCB0 (512MB)
  • PMU(Power Management Unit): X-POWER AXP223
  • HDMI Transmitter: EPMI EP952

UARTの位置

かなり変わった配置になっています。3.3Vロジックです。

UARTの位置

Z7213の正体

分解する前からAllwinner系だと想定していたので、試しにリセットボタンを押しながら電源を入れてみたところFELに入れました。

FELに入れるとsunxi-felコマンドを使ってSoCの種類を調べることができるので、試してみます。

$ sunxi-fel version
AWUSBFEX soc=00001667(A33) 00000001 ver=0001 44 08 scratchpad=00007e00 00000000 00000000

結果を見る限り、Z7213はAllwinner A33系のSoCのようです。

ちなみに、A33はニンテンドークラシックミニシリーズでも使われているR16と同じシリーズです。

rootログインを試みる

UARTにsを入力しながら電源を投入する技(ファミコンミニでもありましたね)でU-Bootコンソールに入り、setenv init /bin/shとかした上で起動させることでシェルに入ります。

あとは/etc/shadowとかを見ていい感じにやることで、通常起動時に使えるrootパスワードをゲットできます(ここではパスワードは記載しません)

fastboot

U-Bootコンソールでfastbootコマンドを実行することでfastbootに入れます。

ファミコンミニのときはFELに入りましたが、今回はAndroidなfastbootです。

ちゃんとしたバイナリで試したわけではないですが、$ fastboot bootとかで好きなイメージを起動させることができそうです。

PCとの接続

正面のUSBがまともに使えないっぽいので(きちんと調べたわけではない) 必然的にPCとの接続は電源として使っているUSBポートを使った方法になります。

幸い、カーネルにはAndroid USBガジェットが内蔵されているためRNDISを使ったネットワーク接続ができます。 なぜか電車でGO!PnPと同じくDropbearが立っているので、これを使ったSFTPなんかも可能です。

まとめ

新しいSoCが出てきたように見えますが、実態としては今までと比べて大きく変わってないように見えます。

しかし、この手のゲーム機のAllwinnerの採用率の高さ・・・

関係した話というと、PCEミニも先日TGSで試遊してきたのですがメガドラミニと似ていました。 権利表示からもLinux系のOSが採用されていると見て良さそうでした。

まぁ楽かつ安く作れるんでしょうね、きっと。

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NV

気づいたら組み込みセキュリティをやっているエンジニア

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